スカラ座《ファウスト》初日がストライキで中止に|賃上げ要求と劇場側の説明

イタリアのミラノ・スカラ座で、2026年10月20日夜に予定されていたグノーのオペラ《ファウスト》の初日公演が、労働者のストライキによって中止となりました。

契約更新をめぐって、待遇改善を求める労組側と、財政負担を示す劇場側が対立。当日は劇場前で音楽家や合唱団員らが演奏し、抗議の意思を表しました。

《ファウスト》初日が中止、チケットは払い戻しへ

中止となったのは、10月20日19時30分に予定されていた《ファウスト》の公演です。ANSA通信によると、スカラ座は同日、労働者のストライキにより上演に必要な条件が整わないと声明を出しました。

チケットは払い戻しの対象となります。次回公演は10月24日19時30分の予定と案内されています。日時はいずれもイタリア現地時間です。

今回の《ファウスト》は、ダニエーレ・ルスティオーニの指揮、ヨハネス・エラートの演出による新制作。スカラ座の公式紹介によれば、同作が同劇場の舞台に戻るのは2010年以来、16年ぶりでした。

労組側は15%の賃上げを要求、劇場側は費用を懸念

争点となっているのは、契約更新に伴う待遇です。ANSA通信によると、労組側はインフレによる影響を取り戻すため、年間総支給額の15%引き上げなどを求めています。

一方、劇場側は、その要求を実現するには3年間で約3,700万ユーロが必要になると試算。劇場の財政にとって大きな負担になるとしています。

劇場前に響いた「行け、わが思いよ」

10月20日朝、労働者たちは劇場の入り口付近で抗議活動を行いました。音楽家や合唱団員らは、ヴェルディの《ナブッコ》に登場する合唱「行け、わが思いよ」をはじめ、「ベッラ・チャオ」や「リベルタンゴ」などを演奏したと報じられています。

「行け、わが思いよ」は、故郷を遠く離れた人々が、その地を思って歌う合唱です。オペラの舞台で親しまれてきた旋律が、この日は、劇場を支える人々が自分たちの要求を伝える場で響きました。

歌手や指揮者だけでなく、オーケストラ、合唱、舞台技術など、多くの人の仕事によって成り立つオペラ。今回の中止は、名門劇場の公演を維持するうえで、働く人々の待遇と運営資金をどう両立させるかという問題を浮かび上がらせています。

今後の公演はどうなる?

10月21日午前の確認時点で、今回取り上げた資料により中止を確認できるのは、10月20日の《ファウスト》初日公演です。

ANSA通信は、その後の別公演にも影響が及ぶ可能性を報じています。鑑賞を予定している方は、スカラ座の公式案内で最新の状況をご確認ください。

出典・参考資料

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