前田妃奈に続く新王者――ボフダン・ルッツがヴィエニャフスキ国際コンクールで優勝

緑の布に置いたヴァイオリンと「ヴィエニャフスキ国際コンクール ボフダン・ルッツ優勝」の文字

前回大会で前田妃奈が優勝した、ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール。その新たな優勝者に、ウクライナ出身のボフダン・ルッツ(Bohdan Luts)が選ばれました。

ポーランドのポズナンで開かれた第17回大会の主催者は、2026年10月22日に公式結果を発表。2022年のカール・ニールセン、2023年のロン=ティボーに続き、ルッツが国際コンクールで再び大きな成果を挙げました。

第1位はボフダン・ルッツ、賞金は6万ユーロ

主催者による公式結果は、第1位がBohdan Luts、第2位がJinzhu Li、第3位がSooBeen Lee。専門媒体『The Violin Channel』によると、ルッツには賞金6万ユーロに加え、オーケストラとの共演や国際的な演奏活動の機会が与えられます。

コンクールでの優勝は、新しい聴衆に演奏を届け、活動の場を広げる入口にもなります。今回のニュースも、順位とあわせて、その先の舞台に注目したい出来事です。

リヴィウ生まれ、国際舞台で実績を重ねる

ルッツは2004年、ウクライナのリヴィウ生まれ。公式プロフィールによると、スイスのメニューイン国際音楽アカデミーで学び、現在はウィーン市立音楽芸術大学でボリス・クシュニールに師事しています。

2022年にはカール・ニールセン国際コンクールで第1位、翌2023年にはロン=ティボー国際コンクールのヴァイオリン部門で第1位を獲得。今回の結果は、すでに国際的な実績を積んできた演奏家が、さらに評価を重ねたものです。

日本からはストラディヴァリウスの貸与も

今回の大会には、日本とのもう一つのつながりがあります。主催者は10月19日、日本ヴァイオリンが第1位受賞者に、1711年製ストラディヴァリウス「Marquis de Rivière」を2年間貸与すると発表していました。

この特別賞の仕組みは、優勝決定に先立って発表されたものです。ルッツが第1位となったことで、その対象者が決まりました。

賞金や演奏機会に加えて、楽器を通じて活動を支える。日本の支援が、若い演奏家の国際的な歩みに結びつく点も、注目ポイントです。

前田妃奈から、新たな優勝者へ

日本の音楽ファンにとって、このコンクールを身近にしたのが、2022年の前田妃奈の優勝でした。今回、その歴史にルッツの名前が加わります。

これから演奏を聴くなら、まず大会で取り上げた音楽から入るのも一つの方法です。公式プロフィールに掲載されたルッツの最終選考の曲目は、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22。順位を知るだけでなく、自分の耳でその音楽に触れることで、ニュースが新しい演奏家との出会いになります。

優勝したルッツの演奏を聴く

こちらは、大会主催者が公開しているボフダン・ルッツの最終選考の演奏映像です。曲は、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22。華やかな技巧に加え、ゆったりと歌う旋律や、オーケストラとのやり取りにも耳を傾けてみてください。新たな優勝者の音楽を、実際の舞台から楽しめます。

ボフダン・ルッツの最終選考での演奏。公開:Wieniawski Society(大会主催者)

発表日と参考資料

結果発表・優勝決定日:2026年10月22日(ポーランド現地日付)。確認日:2026年10月24日。楽器貸与の制度発表は10月19日で、結果発表とは別の発表です。

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